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助成・表彰・審査制度 / 国土技術開発賞

    • 第10回国土技術開発賞

入賞(選考委員会委員長表彰)

長期沈下が生じる地盤での沈下を活用した構造物の建設方法 (第10回国土技術開発賞 入賞)

応募技術名称長期沈下が生じる地盤での沈下を活用した構造物の建設方法
副題埋立により造成した空港に建設したアンダーパスの設計及び施工
応募者名関西国際空港用地造成(株)
技術開発者〔関西国際空港用地造成(株)〕田端竹千穗
共同開発者鹿島建設(株)
オリエンタル白石(株)
(株)ピーエス三菱

技術の概要

1.技術開発の背景及び契機

 関西空港では、増加し続ける航空需要に対応するため、1期空港島の沖合に2期空港島を造成し、4,000mの第2滑走路及び関連施設の整備を進めている。この新しい滑走路と既存のターミナルを結ぶ連絡誘導路を、1期空港島と2期空港島の間に建設することとし、その誘導路を横切る道路及びGSE通路を立体交差させるためにアンダーパスを建設することとした。このアンダーパスの建設に際しては、大きな沈下が継続する地盤に経済的・効率的に、かつ、2007年の2期滑走路の供用に間に合うことが求められた。

2.技術の内容

 2007年の2期滑走路の供用開始に向けて、飛行場検査時に連絡誘導路の勾配をICAOが定める勾配に抑えるため、アンダーパス上面の高さを所定以下にする必要があった。このため、建設中の地盤の沈下分を加えた高さを、工事開始時のアンダーパス上面部の高さ上限とした。

 建設時にアンダーパス設置地盤に地下水位が上がってこない陸上工事(ドライ施工)を行うため、工事開始時に地盤高さがDL.+1.60mを上回る必要があった。アンダーパスの構造形式は、従来のRCボックス断面のトンネル構造ではなく、PC蓋掛けの橋梁構造として、アンダーパス躯体の厚さを薄くすることにより、高さ制限があるなかで設置地盤高さを所定以上にすることができた。

 2期空港島は、着工後60年間で約18m沈下することが予想され、この間も連絡誘導路の縦断線形は、ICAOの基準を満たす必要がある。アンダーパスの所定の沈下量までは、アスファルト舗装のオーバーレイで対処することとし、それ以上の沈下に対してはジャッキアップで対応することとした。このため、PC桁の変位制限装置のアンカーボルトを切断することなくジャッキアップできる構造とした。

3.技術の効果

 精度の高い沈下予測・管理を用いて、沈下性の地盤上に従来のRCボックス断面ではなく上部工をPC蓋かけ橋梁構造としたアンダーパスを建設することにより、ドライ施工が可能となった。併せて構造物の設置深度が浅くなりアンダーパスの総延長を短くすることができた。

 これらのことにより、施工期間の短縮と大幅なコストの縮減を図ることができた。

4.技術の適用範囲等

・ドライ施工など、地盤高さの管理が必要な場合
・沈下が継続する地盤での施工

5.技術の適用実績

2期空港島埋立工事(二次揚土その4)、他2件

写真・図・表