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助成・表彰・審査制度 / 国土技術開発賞

    • 第12回国土技術開発賞

入賞(選考委員会委員長表彰)

T−RESPO構法 (第12回国土技術開発賞 入賞)

応募技術名称T−RESPO構法
副題既存超高層建物の長周期地震動対策技術の開発と適用
応募者名大成建設(株)
技術開発者〔大成建設(株)〕細澤治・須田健二
共同開発者カヤバシステムマシナリー(株)

技術の概要

1.技術開発の背景及び契機

 近い将来、東海・東南海・南海地震などの巨大地震の発生が予想されており、その時に発生する長周期地震動が大きなエネルギーを保持したまま、震源地から遠く離れた場所に伝わってくることが懸念されている。大都市圏には数多くの超高層建物が建設されているが、既存超高層建物の中には長周期地震動を考慮せずに設計されたものもある。それらが長周期地震動を受けた場合、大きな揺れが長時間続き、構造体が被害を受け、二次部材や設備等が損傷することが危惧されている。2006 年11 月には日本建築学会と土木学会から「海溝型巨大地震による長周期地震動と土木・建築構造物の耐震性向上に関する共同提言」が発表されるなど、既存超高層建物に対する長周期地震動対策技術の確立が求められていた。

2.技術の内容

 既存超高層建物の長周期地震動対策技術である。既存超高層建物の長周期地震動の対策としては、制震ダンパーを設置して、建物に減衰を付加し、建物の最大変形や後揺れを低減することが有効である。しかし、制震ダンパーを既存建物に設置すると、制震ダンパーの反力が既存架構(柱、梁、基礎など)に作用し、既存架構を補強する必要があるという問題点があった。

 このような問題に対し、本開発技術は変位依存型オイルダンパーを用い、最大変形付近でオイルダンパーの減衰力を低減することにより、既存架構を補強することなく、制震ダンパーを設置可能としている。また、制震ダンパーの取付方法においても、現場溶接を使用しないPC 鋼棒による圧着工法を開発し、建物を使いながらの工事を可能とした。

3.技術の効果

 制震ダンパーによる付加減衰効果により、長周期地震動に対して既存超高層建物の揺れを低減することができる。その結果、地震後の構造駆体の補強はほとんど必要なく、地震後においてもスムーズな継続使用が可能となる。

 また、対策工事の実施にあたっては既存架構の補強や現場溶接も不要であり、建物を使いながらの工事が可能である。

4.技術の適用範囲

 本開発技術は、既存超高層建物の長周期地震動対策技術であるが、直下型地震のように、短周期が卓越する通常の地震にも制震効果があり、建物高さに関わらず、低層建物から超高層建物まで、既存建物の制震補強に適用することができる。

5.技術の適用実績

新宿センタービル長周期地震動対応工事、平成20 年10 月〜平成21 年7月 他2件

写真・図・表