JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞技術概要

建設分野の新技術への挑戦

    • 第13回国土技術開発賞

地域貢献技術賞(国土交通大臣表彰)

無灌水型多機能緑化基盤「グリーンビズ−G」 (第13回国土技術開発賞 地域貢献技術賞)

応募技術名称無灌水型多機能緑化基盤「グリーンビズ−G」
副題微多孔セラミックス材を用いた屋上緑化システム
応募者名(株)トーケン
技術開発者〔(株)トーケン〕根上健正
共同開発者小松精練(株)/(株)アースエンジニアリング

技術の概要

1.技術開発の背景及び契機

 北陸地域は、国内合成繊維織物の80%を生産し、年間3万トン超の染色余剰汚泥が発生、年間10 億円超の処理費用がかかる。この対策を喫緊の課題として、余剰汚泥を原材料として有効利用した多孔セラミックス開発を本旨とした。地球温暖化という社会的訴求に対して屋上緑化に着目し、その最適基盤の開発を目的とした。

 また、技術開発においては、資源最適化、ならびに北陸地域における循環型社会形成と雇用創出を促すための地域産業創成についても視野にいれた。

2.技術の内容

(無灌水型屋上緑化基盤の開発)

 屋上緑化基盤の素材は、地域で発生した循環資源を原材料とした環境対応品であり、高い保水機能、水分均等分布機能、断熱機能及び蒸発散機能を有し、且つ、不燃性、無機質であり劣化や廃棄処理の問題はない。これに土壌と植物を施し緑化基盤として一体化、その特性から環境改善に有効な効果を発揮する、無灌水型屋上緑化システムを実現した。

3.技術の効果

  1. 廃材等の処理:余剰汚泥を原材料とした超微多孔セラミックスの開発・製造に至る。
  2. 機能維持:植物生育に有効な性状を持ち、植栽基盤として有効な機能を具する。
  3. 施 工 性:セラミックス製基盤材・土壌・植物を一体化した緑化システムを確立。※緑化基盤敷設で簡単に緑化施工が行えるため、施工手間軽減・施工時間短縮が容易となる。
  4. 環境配慮:セダム類を植栽した場合、夏季30日間の無降雨無灌水に耐えることを確認。
  5. 防災性の向上:認定書(不燃)取得  平成22年12月8日 認定番号NM3004

4.技術の適用範囲

建物の屋上、ベランダ・駐車場屋上等

屋根種:折板屋根、陸屋根に対応 自然条件:植物が生育可能な気候 現場条件:新築・既存

5.技術の適用実績

北陸三県(石川県・富山県・福井県)においての適用実績 小松市立丸内中学校 緑化工事 平成21 年11 月〜平成21 年11 月施工 他36 件

6.地域への貢献

当該技術は、処理費軽減・循環資源活用において地域の廃棄処理問題解決の一助となる。また緑化事業を通して、農業の資源・技術の活用、製造等工業技術の商業的展望、これらを農商工連携事業として、地域活性化に寄与。総じて、地域の資源最適化による循環型社会構築と雇用創出を促進し地域産業に貢献していく。

写真・図・表