JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞技術概要

建設分野の新技術への挑戦

    • 第15回国土技術開発賞

地域貢献技術賞(国土交通大臣表彰)

CF工法(キャンバーフォーム工法) (第15回国土技術開発賞 地域貢献技術賞)

ミッションCF工法(キャンバーフォーム工法)
応募技術名称CF工法(キャンバーフォーム工法)
副題型枠パネルを打設時に積み重ねながら生コンを打ち上げて行く工法
応募者名(株)清都組
技術開発者〔(株)清都組〕 清都 一章

技術の概要

1.技術開発の背景及び契機

 長年にわたる不景気、建設工事量の減少を背景に、全国的に熟練工の不足(離職、転職、年齢によるリタイヤ、教育機関が無く育たない)が顕著化しており、一般の作業員でも短期間で技術習得が可能で、効率的なコンクリート構造物の構築法として、型枠パネルを打設時に積み重ねながら生コンを打ち上げるCF工法(キャンバーフォーム工法)を開発した。

2.技術の内容

 CF工法の型枠の組立ては、まず台座に長さ900mmのH鋼フレームを順次建て込み、高さ方向2本ごとに上部に横つなぎアングルをボルトにて固定する。この手順を繰り返し、所定の高さまで組立て、最後に測量機械にてH鋼フレームの鉛直性2方向のチェックをする。コンクリートの打ち上がりに伴い、鉛直に設置したH鋼フレームのフランジ間に型枠となる3層パネルを横スライドで差し込み、H鋼フレーム背面に横パイプ(80×80角鋼管)を高さ900mm当たり3本を水平方向に設置し、パネル1枚当たり12〜15個のキャンバーを打ち込み、型枠パネルを固定する。また、型枠解体時において、H鋼フランジ角部に接するコンクリートに負担を掛けない様に、あらかじめ躯体側のH鋼フランジ部を45°開先して面取りを施しておく。

3.技術の効果

  • 従来工法において型枠工が8人必要のところ、2人で組立て可能となり、省力化を図れる。
  • 下層より順に20mまで、型枠パネル・横パイプ組立→コンクリート打設の一連の作業を連続して繰り返すことで、従来工法に比べ1/4程度に工期短縮が図れる。
  • 型枠横からコンクリート圧送ホースを水平にして打設することで降下速度が減速し、沈下・気泡・ブリージングが少なく、目視によりバイブレータの掛け過ぎ等の防止できる。さらに、連続打設により水平打継ぎ目が無くなることから、コンクリートの均質化を図れる。
  • クラックが少なく、強固な構造物を作ることが出来るので、その寿命はより長いものになると考えられる。
  • 3層パネルは廃材を再利用しており、CO2削減に効果がある。

4.技術の適用範囲

  • 橋脚全般
  • カルバートbox 、胸壁、斜部分の構造物、打設難度の高い施工物に適している

5.技術の適用実績

  • 国道277号 八雲町 高滝ノ沢部工事、平成24年1月〜平成24年2月 他19件
  • 今現在、1日で高さ最大20mの構造物の打設実績がある

6.地域への貢献

  • 地域の職人不足の解消につながり、更に地元の一般作業員でも構造物を作ることが出来る
  • 東日本大震災後1日も早い復旧を望む地域にとって、CF工法を採用することで工期短縮になり、従来工法に比べ早い復旧が可能

写真・図・表