• JICEについて
  • 調査報告・研究成果
  • 助成・表彰・審査制度
  • 技術資料・ソフトウェア
  • 国土を知る

助成・表彰・審査制度 / 国土技術開発賞

    • 第19回国土技術開発賞

入賞(選考委員会委員長表彰)

シャフト式遠隔操縦水中作業機(第19回国土技術開発賞 入賞)

応募技術名称シャフト式遠隔操縦水中作業機
副題T-iROBO UW
応募者名大成建設(株)
技術開発者大成建設(株) 中村泰介、(株)アクティオ 三浦久、極東建設(株) 末吉常彦
共同開発者(株)アクティオ、極東建設(株)

技術の概要

1.技術開発の背景及び契機

 近年、建設から50 年以上経過したダムが増加し、自然災害が局地的かつ大規模化する傾向にある。こ のため、ダムの長寿命化や機能あるいは能力の向上を目的にダムの再開発の需要が増している。
 ダム湖内で行われる再開発工事は、貯水位を維持し、ダム機能を保持する制約の中で行わなければなら い。そのため、仮設桟橋を設置し、桟橋上から大型機械で施工されてきたが、多大な時間と費用を要して いる。同時に、桟橋上からは水中を確認できないため作業精度が低下し、水中での細かな作業や施工状況・ 出来形の確認のために潜在的に危険性の高い潜水作業を併用している。
 このように、従来工法はその安全性・施工性・工期・工事費が大きな課題となっていた。

2.技術の内容

 シャフト式遠隔操縦水中作業機は、シャフトに油圧ショベルタイプを取り付けた水中作業機で、シャフ トに沿って昇降・旋回をしながら、掘削、削岩などの水中作業を遠隔操作できる。シャフト式としたことで、 作業機の位置を簡単に特定でき、可視化装置などにより水中の様子を確認しながら作業できるため、構造 物近傍であっても細かな作業も可能である。
 本技術では潜水作業が不要となり、ダム湖のような悪条件での作業も正確かつ確実に短工期で行える、世界初の水中作業機である。

3.技術の適用範囲

  • 急峻で透明度の低い水中であっても水深100mまで対応可能
  • アタッチメントを取り替えることで、様々な水中作業が可能
  • 本機をSEP台船に設置することで、波浪の影響が大きな作業環境でも適用可能

4.技術の効果

 本技術を適用することで、仮設桟橋が不要になり、掘削精度の向上、潜水作業も不要であるため安全性が向上する。また、一般のオペレータで操作可能である。これらの効果により、実施工を行った天ヶ瀬ダム再開発工事では、従来工法に比べ、工期および工費が約2/3に削減された。

5.技術の社会的意義及び発展性

 近年わが国においては既存インフラの有効活用、インフラ投資の縮減が求められている。本技術は工期の短縮、工事費の削減に資するものである。建設技術者の減少が問題となっているが、本技術は一般オペレータにより操作可能であり、特殊な技術者が不要である。油圧ショベルがベースマシンであるため、各種アタッチメントを取り付けることで、様々な水中作業を行うことができる。

6.技術の適用実績

天ヶ瀬ダム再開発トンネル放流設備流入部建設工事 平成27年5月〜平成27年12月

写真・図・表