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助成・表彰・審査制度 / 国土技術開発賞

    • 第18回国土技術開発賞

創意開発技術賞

風雪の影響を低減する都市設計シミュレーションの開発(第18回国土技術開発賞 創意開発技術賞)

応募技術名称風雪の影響を低減する都市設計シミュレーションの開発
応募者名北海道大学
技術開発者北海道大学  瀬戸口 剛

技術の概要

1.技術開発の背景及び契機

 北海道などの積雪寒冷都市では、歩道や広場などの屋外公共空間に雪の吹きだまりができやすい。

 屋外公共空間に雪の吹きだまりが形成されにくい都市空間の形態を、風雪シミュレーションにより明らかにし、それを都市開発や再開発計画などで実現することが求められていた。

2.技術の内容

 本技術は、雪や寒さなど冬季の屋外環境が厳しい積雪寒冷都市において、冬季の屋外公共空間での風雪の影響を低減するため、風洞実験装置を用いた都市設計シミュレーションの手法を開発した。

 都市設計の計画案に対して、風洞実験設備を用いた風雪シミュレーションを同時並行で行い、屋外公共空間での雪の吹きだまりを低減するための分析を行い、都市設計の計画案にフィードバックするもので、風洞実験を行いながら都市設計を進める、全く新しい都市設計の手法を開発した。

 本技術は、積雪寒冷都市における都市設計(都市施設、再開発ビル、駅前広場、屋外公共空間など)における新たな手法となり、実際に稚内駅前地区市街地再開発事業において適用されている。

 雪の吹きだまり予測技術においては、CFDよりも風洞実験を用いた本技術が有用である。

3.技術の適用範囲

 本技術は、北海道などの積雪が多く、風雪環境が常時厳しい気候の地域で適用可能である。

4.技術の効果

効果1)稚内駅再開発ビル「キタカラ」周辺における雪の吹きだまりを低減 (写真-1,2,図-1)

 本技術を用いて、稚内駅前地区市街地再開発事業による再開発ビル「キタカラ」が設計され、冬季において再開発ビルの周辺のエントランス部分や、稚内駅とバスターミナル乗り換えの歩行者動線部分では、雪の吹きだまりができにくく、歩行者空間を適切に確保できた。

効果2)風雪シミュレーションを用いた都市設計ガイドラインの開発

 本技術による都市設計シミュレーション手法をもとに、札幌市都心部を対象として、雪の吹きだまりや強風域ができにくい都市空間のための、都市設計ガイドラインを開発した。

効果3)風雪シミュレーションを用いた除雪エネルギー量の把握(表−1)

 本技術をもとに都市空間の積雪量を算出し、除雪や融雪に要するエネルギー量と、それに伴うCO2排出量を明らかにし、環境負荷に貢献する都市空間を明らかにした。

5.技術の社会的意義及び発展性

 北海道などの積雪寒冷地域の都市設計や建築設計において、歩行者空間や屋外公共空間への風雪の影響を抑制できる。冬季の除雪の負担低減は、積雪寒冷地域の市民にとって意義は非常に大きい。

 世界初の技術開発であり、今後国外の北方圏域の諸国(カナダ、ロシア、北欧など)で適用できる。

6.技術の適用実績

 稚内駅前地区市街地再開発事業・再開発ビル「キタカラ」(平成20年12月〜平成24年10月)

写真・図・表