受賞技術概要
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第2回建設技術開発賞
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- 第2回建設技術開発賞
奨励賞(JICE理事長表彰)
高品質再生粗骨材「サイクライト」 (第2回建設技術開発賞 奨励賞)
ミッション | 維持管理の向上に寄与する |
応募技術名称 | 高品質再生粗骨材「サイクライト」 |
応募者名 | 株式会社青木建設 |
技術の概要
1.開発の背景と目的
供用期間を終え解体・廃棄するコンクリート構造物は、年々増加する見通しであり、その解体の際に大量のコンクリート塊が発生する。建設省の調査では平成7年度には3,700万tのコンクリート塊が発生し、最終処分場に1,300万tが廃棄されているが、今後も増加することが予測されている。
現在、コンクリート塊は、破砕処理を行って粒度調整し、路盤材や埋め戻し材等に再利用されているが、この方法による限り用途に限界がある。本技術では、リサイクル用途として骨材資源の消費が最も多いコンクリート用骨材とすることを目的として天然の骨材と同等の品質の再生骨材を製造しようとするものである。
2.技術の内容
図1に製造フローを、図2および図3に偏心ローター式処理装置の断面と外観を示す。高品質再生粗骨材製造技術「サイクライト」は、現場で発生したコンクリート塊をジョークラッシャーで粒度調整し,偏心ローター式処理装置によるすりもみ処理を行った後、振動ふるいにより5mm以上のものを再生粗骨材として取り出すという手順で製造する。偏心ローター式の処理装置は、偏心回転する内筒(偏心ローター)と外筒で構成されており、その間に投入された破砕コンクリート塊が相互にこすれて(すりもみ)、骨材表面に付着している不要なセメント、モルタルだけが除去される。生産能力は20〜60 t/hと実用的な処理能力を有している。
3.技術の効果
従来の方法で処理された再生骨材は、モルタル分の付着が多いために骨材の品質が低く、コンクリートに使用した場合は、強度や乾燥収縮や凍結融解抵抗性、中性化速度などの耐久性が低下するため、構造用のコンクリートには利用できなかった。サイクライトは、表1のように天然骨材の基準を満足し、コンクリートに利用した場合の性質も、図4のように通常の砕石や砂利を使用したコンクリートと差がない。
4.技術の適用範囲等
建築物、土木構造物を問わず、コンクリート構造物全般に利用できる資源循環技術である。特に、大規模団地の建替えや発電所の建替えなど、多量にコンクリート塊が発生する工事に適している。 適用実績 アクロス新大阪新築工事