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助成・表彰・審査制度 / 国土技術開発賞

    • 第10回国土技術開発賞

最優秀賞(国土交通大臣表彰)

太径曲線パイプルーフ工法 (第10回国土技術開発賞 最優秀賞)

応募技術名称太径曲線パイプルーフ工法
副題非開削による地下大空間構築工法
応募者名首都高速道路(株)
鹿島建設(株)
大成建設(株)
鉄建建設(株)
技術開発者〔首都高速(株)〕寺島善宏・深山大介
〔鹿島建設(株)〕吉川正・林 昇
〔大成建設(株)〕田辺 清・深澤裕志
〔鉄建建設(株)〕齋藤雅春・伊藤康裕
共同開発者(株)小松製作所

技術の概要

1.技術開発の背景及び契機

大深度・大断面の道路トンネルの分岐・合流部を構築する首都高速中央環状新宿線富ヶ谷出入口トンネル工事は、直径13mのシールド2本を切開いて出入口トンネルを構築するものであるが、交差点部に位置するため、地上からの「開削工法」を用いることが出来なかった。また、周辺には、水道管、小田急電鉄の跨線橋の基礎などの重要構造物があり、凍結工法、高圧噴射撹拌工法などの地盤改良などの補助工法を併用した「非開削工法」もそれらに悪影響を及ぼすことが予想されたので、それらを解決できる「非開削地中切開き工法」の開発が不可欠となった。

2.技術の内容

以下の技術による2本のシールド間の非開削地下大空間構築技術

  1. 掘進機及び元押し装置によるφ600で曲率半径8m及びφ800mmで曲率半径16mの半円形鋼管製パイプルーフの掘進技術
  2. 同掘進機のトータルステーションを用いるATS(オートターゲットシステム)による±5mmの掘進機位置計測技術と±60mm以内の到達精度での位置制御技術
  3. 同掘進機でのGFRP(ガラス繊維補強樹脂製)本線シールドセグメント部材の直接切削発進到達技術
  4. 0MPaの耐水圧性能を有する発進到達エントランス構造及び発進到達制御技術

3.技術の効果

  1. 安全性・確実性の向上:エントランス部、GFRP部の耐水圧は実大規模要素実験で1.0MPaまで検証。富ヶ谷工事で約30mの土被り圧、水圧0.4MPaに対し、掘進時及び内部掘削時共に安定。掘進機の平均到達精度は±20mm程度と高精度を確保。
  2. 周辺環境への影響軽減:富ヶ谷工事では、地表面変位及び水道管の規制値20mm以下を十分クリア。太径曲線パイプルーフ掘進時、内部掘削時漏水なく、地盤沈下をもたらす腐植土層の水位低下なし。
  3. 外部交通の阻害の最小化:資機材搬入、土砂搬出は約1km離れの立坑のみ利用、パイプルーフの地中掘進も、シールド内部のみ利用で地上交通阻害は皆無。
  4. 全体として合理性の向上:本線トンネル構築用のシールドの作業を阻害せずに施工。かつ掘進機の発進到達に通常必要な地盤改良及びセグメント撤去作業を省略。比較対象凍結工法の工期17.8ヶ月より1.5ヶ月の工期短縮、工費30億円より5億円の工費縮減。

4.技術の適用範囲等

  • 曲線パイプルーフの形状:φ600mm以上を対象とするが、最小の曲率半径は8mまで適用可能、φ800mmの場合では、最小の曲率半径は10mまで適用可能
  • 対象地盤は、中硬岩以外の砂質地盤、粘土質地盤、土丹などに適用可能
  • 耐水圧は1.0MPaまで可能

5.技術の適用実績

首都高速中央環状新宿線SJ22工区(2−1)富ヶ谷出入口トンネル工事、2005年12月〜2008年4月(実大規模実証実験2件)

写真・図・表

図−1太径曲線パイプルー工法主要施工ステップ

  • 写真ー1下向き実大規模実証実験状況
  • 写真ー2ATS計測実証実験状況
  • 写真−3発進及び到達エントランス耐水圧実験状況
  • 写真−4GFRPセグメント及び同部材

写真−5上向き実大規模実証実験状況及び掘進機(施工技術総合研究所ヤード)

写真−6首都高富ヶ谷トンネル工事状況