受賞技術概要
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第3回国土技術開発賞
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- 第3回国土技術開発賞
入賞(選考委員会委員長表彰)
SDP工法 (第3回国土技術開発賞 入賞)
ミッション | 静的締固め杭工法 |
応募技術名称 | SDP工法 |
応募者名 | 東洋建設(株) 国土総合建設(株) 井森工業(株) 鹿島建設(株) |
技術開発者 | 東洋建設(株) 佐藤道祐 国土総合建設(株) 牧部幸吉 井森工業(株) 鶴岡龍彦 家島建設(株) 大西文明 |
共同開発者 | (独)港湾空港技術研究所 |
技術の概要
1.技術開発の背景と目的
地盤の液状化対策として地盤を締固める工法の多くは地盤を振動させて行うため、施工中の騒音・振動が大きく、市街地や既設構造物近傍での適用が難しく、振動を考慮しなくてもよいところでは採用率が90%に対し、市街地では約10%と極端に小さい。
締固め工法は液状化対策工法として最も有用性が認められた工法であり、騒音および振動の発生しない締固め工法の開発は重要な課題といえる。
また、建設工事に伴い発生する土砂の有効利用は社会の大きな要請であり、さらに多くの建設発生土の利用が望まれている。
本工法は地盤の締固めを静的に行い、騒音・振動防止に努め、地盤内に構築する杭体の材料として建設発生土を有効利用し、材料費の削減と建設発生土の処分費を軽減し、コストを縮減することを目的とする。
2.技術の内容
本工法は、回転貫入装置に連結された外管ケーシングと油圧シリンダーに連結した内管ケーシングより成る二重管ケーシングを外管ケーシングの回転により地中に貫入し、内管ケーシングの上下運動及び管内圧気により強制的に補給材(セメント系固化材を添加した建設発生土)を押出し、締固め杭を構築し、地盤の密度を高め液状化しないように締固める工法で、施工時の騒音・振動を低減し、建設発生土の有効利用を促進し、周辺環境に配慮した地盤改良工法である。
3.技術の効果
- 改良効果は従来技術(SCP工法)と同程度以上を確保できる。
- 振動を伴わないため、既設構造物の近接施工が可能。
- 使用する材料が、砂、グラベル材等従来使用していた建設用材料の他、建設発生土を使用することができ、リサイクルに貢献できる。
- 同一の施工現場内から建設発生土の供給が可能な場合は、その土砂処分費の低減や給材供給のための良質な砂の購入費等に対するコスト縮減に貢献できる。
4.技術の適用範囲等
- 細粒分含有率が40%以下、現地盤N値30未満(N≧20は補助工法が必要)の砂質地盤(液状化層)で粘性土/礫質層の互層にも対応可能
- 適用実績 平成11年度横浜港金沢地区岸壁(−10m)築造工事 他