JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞技術概要

建設分野の新技術への挑戦

    • 第4回国土技術開発賞

入賞(選考委員会委員長表彰)

既存構造物のコンクリート強度調査法「ソフトコアリング」 (第4回国土技術開発賞 入賞)

応募技術名称既存構造物のコンクリート強度調査法「ソフトコアリング」
副題小径コアによるコンクリート強度調査法
応募者名(株)錢高組
前田建設工業(株)
日本国土開発(株)
技術開発者(株)錢高組    寺田 謙一
前田建設工業(株) 中込 昭
日本国土開発(株) 佐原 晴也

技術の概要

1.技術開発の背景及び契機

 構造物の調査・診断において、非破壊試験の簡便さと破壊試験の正確さを併せ持つ方法により構造体コンクリート強度を調査し、構造物の損傷を軽微にとどめ、柱・梁などの主要構造部材から正確な強度情報が得られる技術を開発し、保全・改修工事の品質向上に寄与することを目的とした。

2.技術の内容

 既存構造物から直径20mm程度の小径コアをコア採取装置により採取した後、圧縮強度試験を行い、その試験結果をもとに、あらかじめ定めた実験式を用いて補正することにより、構造体コンクリート強度を推定する調査方法である。

 本調査方法は、供試体の直径が直径100mmコアの約1/5と小さいため、構造体に与える損傷は非破壊試験と同程度であり、かつ、構造体から直接的に数多くのサンプルを採取できるため、直径100mmコアと同程度あるいはそれ以上の精度が得られる。

3.技術の効果

 コアの直径が小さいので、鉄筋切断の可能性が少なく、構造体の耐力を損なうことなく、柱、梁などの主要構造部材からコアを採取できる。また、簡易なドリルを用いて容易にコアを採取することができ、採取後の補修も容易である。

 採取および圧縮試験に要する小径コア1本当たりの費用は、直径100mmコア1本当たりの費用の約半額程度である。

4.技術の適用範囲等

  • 設計図書等の資料調査により推定される実強度が60N/mm2以下とする。
  • 普通コンクリートを対象とし、粗骨材の最大寸法を25mm以下とする。
  • コアの直径は18mmから26mmの範囲とする。コアの高さは直径の2倍を原則とし、1.5倍から2.2倍の範囲とする。

5.技術の適用実績

 コンクリート劣化調査業務(1999年12月〜2000年3月) 他54件