JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞技術概要

建設分野の新技術への挑戦

    • 第4回国土技術開発賞

入賞(選考委員会委員長表彰)

TOFT工法 (第4回国土技術開発賞 入賞)

応募技術名称TOFT工法
副題耐液状化格子状深層混合処理工法
応募者名(株)大林組
(株)竹中工務店
(株)竹中土木
不動建設(株)
技術開発者(株)大林組   細谷 芳巳
         松尾 龍之
         松田 隆
         伊藤 浩二
         久保寺 家光
(株)竹中工務店 鈴木 吉夫
         山本 光起
(株)竹中土木  奥村 良介
         堀 淳二
不動建設(株)  中角 功
         桑原 正彦
         原田 健二
共同開発者独立行政法人土木研究所

技術の概要

1.技術開発の背景及び契機

 1964年に発生した新潟地震以来、地震が起きる毎に緩い砂地盤の液状化現象がクローズアップされ、厳しい環境条件や施工条件に対応できる新しい発想に基づく廉価な対策技術が求められていた。そこで1985年、建設省土木研究所(当時)と表記民間4社で官民共同研究「耐震地盤改良工法(固化工法)の研究開発」を開始した。

2.技術の内容

 TOFT工法の特徴は、セメント系の地盤改良工法である深層混合処理工法を使って液状化対象地盤を格子状に固化改良することである(図−1、写真−1)。

 施工は、低振動、低騒音である深層混合処理工法の特徴を生かして、都市部など近接施工を必要とする場所や環境条件の厳しい施工場所での適用が可能な施工機械の対応や施工面での技術対応が可能である。

3.技術の効果

 この共同研究で設定した目標は、

  1. 低公害型施工と品質を保証できること
  2. 新設構造物のみならず既設構造物にも有効に活用できること
  3. 各種構造形式に適した経済的な設計が可能となること(マニュアル化)
  4. の3点である。

 共同研究では、各種振動台実験や動的遠心載荷模型実験、動的FEM解析などにより格子状改良地盤の液状化防止のメカニズムと効果を明らかにした。平成7年の阪神・淡路大震災での高層建物基礎地盤や、平成8年の新潟北地震での河川堤防基礎地盤に既施工されていた格子状深層混合処理改良地盤の優れた液状化防止効果が実地震により実証された。(図−4)

 本工法により、液状化地盤全体を100%深層混合処理工法で改良する場合に比べて、約50%程度のコスト縮減が可能となった。

4.技術の適用範囲等

  • 緩い砂地盤を有する河川堤防などの盛土構造物、掘割道路などの線状構造物、下水処理場などの面状構造物に対する液状化対策
  • 低振動、低騒音である深層混合処理工法の特徴を生かした都市部などでの近接施工

5.技術の適用実績

建設省平成7年度特定技術活用パイロット事業新規技術(長崎開地盤改良工事)
(1996年3月〜1996年9月) 他167件(1992年2月〜2001年3月の実積)