JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞技術概要

建設分野の新技術への挑戦

    • 第5回国土技術開発賞

入賞(選考委員会委員長表彰)

PRISM工法(Precast Rapid Intensification System to Manipulate rc piers) (第5回国土技術開発賞 入賞)

応募技術名称 PRISM工法(Precast Rapid Intensification System to M
副題プレキャストパネルによる橋脚の水中耐震補強工法
応募者名前田建設工業(株)
技術開発者前田建設工業(株) 三島徹也

技術の概要

1.技術開発の背景及び契機

 港湾・河川など躯体が水中に位置するRC橋脚の耐震補強工事では、仮締め切りをした後ドライアップを行って、気中工事とするのが一般的であり、施工条件によっては大規模な仮設工事が必要となる場合が少なくない。その上,ドライアップにかかる建設コストが高額であるため,この分野では仮設にかかるコストの縮減が命題となっている。そこで,仮締め切り等によるドライアップを不用とする水中耐震補強工法を合理化技術として発案し、開発に至ったものである。

2.技術の内容

 本工法は,補強鋼材を内包した高耐久性のプレキャストパネルで既設橋脚を外包し、かみ合わせ方式の継手鋼材で連結した後、既設橋脚との間にコンクリート(またはモルタル)を充填し、既設橋脚と一体化させるRC橋脚の耐震補強工法ある。プレキャストパネルを気中でリング状に組立てて水中に沈設するためドライアップを行わないで水中橋脚の補強工事ができる。したがって、大がかりな仮締め切り工事が不要となり、施工の省力化が可能な工法である。

3.技術の効果

 本工法は,水中RC橋脚の耐震補強工事における仮設構造を桟橋程度に簡略化し,仮設にかかる工費,工期の大幅なコストの縮減を実現するものである.補強用鋼材を内包したプレキャストパネルおよび水中で定着した曲げ補強鉄筋、横拘束鋼材とした拡底式アンカーを用いることにより、高い耐久性と所要のせん断補強効果と曲げ補強効果、じん性補強効果を得るとともに、ドライアップを行わない施工により工期短縮・工費縮減に効果がある。

4.技術の適用範囲等

河川、港湾、海岸等に隣接し、躯体が水中に位置するRC橋脚の耐震補強工事に適用される。

5.技術の適用実績

那覇港(泊地区)橋梁(改良)下部工改良工事(第3次)、平成11年3月〜平成12年3月
那覇港(泊ふ頭地区)橋梁(改良)下部工改良工事、平成12年10月〜平成15年3月
伊万里港(久原南地区)橋梁耐震補強工事、平成14年10月〜平成15年3月