JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞技術概要

建設分野の新技術への挑戦

    • 第5回国土技術開発賞

入賞(選考委員会委員長表彰)

ビオ・セル・ショット工法 (第5回国土技術開発賞 入賞)

応募技術名称ビオ・セル・ショット工法
副題苗吹付工(グラウンドカバープランツの動力吹付緑化工法)
応募者名(株)大本組
技術開発者(株)大本組           出雲井雄二郎
兵庫県立農林水産技術総合センター 福嶋昭
吉田建設(株)          吉田修
共同開発者兵庫県立農林水産技術総合センター
吉田建設(株)

技術の概要

1.技術開発の背景及び契機

 様々な法面や平面の草刈りに代表される管理作業は景観の維持等、様々な観点から、その重要性が指摘されて久しい。このような中、従来の刈り払い機による法面管理方法に代わり、グラウンドカバープランツを植栽して、草刈り作業を軽減しようとする取り組みが全国各地で行われている。しかし、雑草抑制、景観形成および長期の植生維持に有効なグラウンドカバープランツには種子がなく栄養(苗)繁殖性植物であるため、機械による植栽は不可能でもっぱら手植えによらざるを得ないことから、広範囲な活用とはなっていないのが現状である。

 このようなことから、グラウンドカバープランツによる大規模な植生を機械施工により安価にそして安全に実現しようと開発されたのが「ビオ・セル・ショット工法」である。

2.技術の内容

 従来、人力による植付けに頼っていたグラウンドカバープランツの機械吹付けを可能にした緑化工法である。専用のトレイに挿芽で育成し発根させたセル成型苗(写真1)やマット苗を法面や平面に対して事前に吹付造成した植生基盤の上に吹付けて緑化する(写真2)。

3.技術の効果

 本工法によれば手植えに比べ大幅なコストダウンと省力化、更には高い安全性が実現する。
本工法により実現する植生の特長は次のとおりである。

  • 開花による様々な美しい景観が創造できる。(写真3)
  • グラウンドカバープランツが全面を被覆すれば雑草の発生がかなり抑制される。
  • それにより除草作業が軽減するため維持管理に係るトータルコストが縮減可能。
  • 適切な管理により長期の植生維持が可能。

4.技術の適用範囲等

長期にわたっての雑草管理(除草)や景観形成が必要なところが望ましい適用箇所である。しかし、あくまで植物であるので完全なメンテナンスフリーにはならないことに注意を要する。具体的には

  • 開花による様々な美しい景観が創造できる。(写真3)
  • グラウンドカバープランツが全面を被覆すれば雑草の発生がかなり抑制される。
  • それにより除草作業が軽減するため維持管理に係るトータルコストが縮減可能。
  • 適切な管理により長期の植生維持が可能。

5.技術の適用実績

中山間地域総合整備事業南但馬ハッピー地区内山工区農地開発工事、平成12年6月  他58件