• JICEについて
  • 調査報告・研究成果
  • 助成・表彰・審査制度
  • 技術資料・ソフトウェア
  • 国土を知る

助成・表彰・審査制度 / 国土技術開発賞

    • 第7回国土技術開発賞

入賞(選考委員会委員長表彰)

高耐力マイクロパイル工法による耐震補強技術 (第7回国土技術開発賞 入賞)

応募技術名称高耐力マイクロパイル工法による耐震補強技術
副題厳しい施工条件下で威力を発揮する既設基礎耐震補強工法の実用化
応募者名(独)土木研究所
(株)フジタ
技術開発者(独)土木研究所  福井次郎
          大下武志
(株)フジタ    相良昌男
          岸下崇裕
極東工業(株)   中田順憲
三信建設工業(株) 菊地将郎
利根地下技術(株) 荻須一致
日特建設(株)   外崎 亘
日本基礎技術(株) 中原 巌
ヒロセ(株)    大谷義則
ライト工業(株)  長谷川 泉
共同開発者極東工業(株)
三信建設工業(株)
利根地下技術(株)
日特建設(株)
日本基礎技術(株)
ヒロセ(株)
ライト工業(株)

技術の概要

1.技術開発の背景及び契機

 兵庫県南部地震の後、各種構造物の技術基準が改訂されたが、既設構造物の中には新しい規定を満たしていないものがあり、耐震補強は重要な課題となっている。橋脚部では鋼板巻き立て等の補強が進められているが、構造系全体の耐震性を向上させるためには、基礎部の補強も不可欠である。しかし、既設基礎の耐震補強として一般的な杭工法により増杭した場合、桁下の厳しい施工条件下(狭隘で低空頭)での作業となるため、工費・工期ともに膨大なものとなる。このようなことから、経済性・施工性に優れた新しい耐震補強技術が求められ、このニーズに応えるため、高耐力マイクロパイル(以下、HMPと略)の優れた支持力特性、施工性を利用した耐震補強技術の開発を行った。

2.技術の内容

 主に地盤補強に用いられてきたマイクロパイル(杭径300mm以下の小口径杭の総称)を基礎の耐震補強用として開発したのがHMP工法である。HMPは、注入材の加圧注入技術や補強材として異形棒鋼と高強度の鋼管を用いることにより、小口径でも高耐力・高支持力を可能にした杭である。

 本技術開発では、HMPを用いた既設基礎の耐震補強の設計に関する基本的な考え方を整理し、既設杭とHMPとの荷重分担、HMPの支持力と配置等を含めた設計法を確立した。また、狭隘かつ空頭制限がある等の厳しい施工制約条件下における施工法を確立し、設計・施工マニュアルを作成した。

 

図−1  高耐力マイクロパイル概念図              図−2 耐震補強イメージ図

 

写真−1 既設橋脚基礎の耐震補強例           写真−2 配水池内で耐震補強例

 

図−3 施工手順

3.技術の効果

 本技術は、既設基礎の耐震補強工法として現在までに約50件近く適用されており、『亀戸給水所配水池基礎耐震補強及び場内整備工事(杭長約40m、72本)』の例に見られるように、以下の効果がある。(1)施工性の向上:空頭制限3.5m程度の既設構造物直下でも制約条件を受けずに施工可能。(2)コスト縮減:従来工法に比べて、コストを10〜30%程度縮減可能。(3)工期短縮:従来工法に比べて、約10〜60%程度まで短縮できた。(4)環境への配慮:騒音・振動の軽減による住居環境の快適性を保持することができた。また、削孔土砂を約80%軽減可能で、環境負荷を軽減することができた。

4.技術の適用範囲等

  • 最小桁下空間: 3.5m(削孔機種,杭配置(傾斜角,杭位置)の条件による)
  • 最小施工幅: 3.5m(削孔機種,杭配置(傾斜角,杭位置)の条件による)
  • 高耐力マイクロパイル径と最大長: 杭径0.15〜0.30m、杭長50m(実績)
  • 土質条件: 硬岩・軟岩・礫質土・砂質土・シルト・粘性土・有機質土

5.技術の適用実績

亀戸給水所配水池基礎耐震補強及び場内整備工事、平成16年8月〜平成17年7月 他46件。